2021年8月3日、Amazonからとある通達がありました。
それは、「Amazonポイントセントラル」が開設されることでした。
それだけならば問題はないのですが、同じメールには「Amazonの利用者全員にポイントの負担させる」という旨が記載されていたのです。
これは、Amazonを利用する方は知っておかないと、少なからず大きなデメリットを背負うことになりかねません。
そこでここでは、Amazonポイントセントラルについて詳しくまとめていきましょう。
Amazonポイントセントラルってなに?何が問題?
Amazonポイントセントラルとは、簡単にいえば「Amazonポイントを管理する場所」のことです。
セラーセントラル内に開設されており、Amazonセラーセントラルにアクセスできる方であればだれでもアクセスすることができます。
そのため、これだけであれば特に悪影響はありません。
ただ、ポイントが管理しやすくなっただけの話です。
そのため、これだけを読んで「特に影響のない話か」と納得してしまった方もいるのではないでしょうか。
しかし、重要なのはここからです。
ポイントセントラル導入にあたって、Amazon公式からのメールには、以下の文言が記載されていました。
設定に伴う出品者様のご負担を軽減するため、11月1日より出品者様の全出品にデフォルト値である1%のポイントを自動適用させていただきますが、出品者様ご自身でもいつでも任意の%を設定可能です。
どういうことかといいますと、「11月1日から全商品に1%のポイントが付与される」ということになります。
つまり、放置していると、常時1%の割引をされることになるのです。
例えば、1万円の商品を売ったのなら、実質的な利益が9900円になってしまいます。
ひとつあたりの負担額は小さいように思うかもしれませんが、たとえば月商100万円を達成したとすると、実質的な月商は99万円になってしまうのです。
しかもポイントの負担は利益ではなく商品の価格にかかってくるので、ただでさえ薄利多売形式をとっている方は、かなり大きな負担になってしまいます。
とはいえ、これは強制的に徴収されるものではなく、自分でポイントの付与率を設定することが可能です。
ポイントの付与率を設定できるということは、つまり0%=ポイントを負担しないということもできるということです。
そこでここでは、ポイントを付与しないように設定する方法についてまとめていきましょう。
ポイントセントラルでポイントの付与を0%にする方法
まずはセラーセントラルにログインして、「広告」をクリックし、次に「ポイント」をクリックしましょう。
すると、「ポイントセラーセントラル」にログインすることができます。
ログインすると、上部の情報欄に「2021/11/01以降すべての出品が、1%に自動適応されます」という表示があるはずです。
ここに「無効化する」の表示があるので、これをクリックしましょう。
すると、「ポイントの自動適用を無効化しますか?」という表示が出るので、「無効化する」をクリックしてください。
11月までにこの作業を完了すれば、1%のポイント負担を無効化できます。
仮に11月までこの作業を完了させなかった場合は、手動でポイントの割引を無効にしなければなりません。
手動でポイントの適応を無効にする方法は以下の通りです。
- セラーセントラルにログイン
- 在庫タブから「出品レポート」をクリック
- 「レポートをリクエスト」をクリック
- ダウンロードしたファイルを開き、「すべて選択」から「コピー」する
- エクセルを開いて貼り付ける
- 出品者SKUのみを残して削除する
- 2行目(B列)にすべて「0」を入力する
- 1行目と2行目をすべてコピーする
- ポイントセントラルを開いて「除外を追加する」をクリック
ここから、「全商品一括ポイントに除外を追加する」を見てみましょう。
この下にある、「テンプレートファイルをダウンロード」をクリックしてください。
すると、ポイント割引を設定するためのファイルをダウンロードできます。
ダウンロードしたファイルには全商品一括で付与するポイントが記載することが可能です。
このファイルを変更すれば、ポイント付与を無効にするだけではなく、好きなポイントを自由に設定することもできます。
変更方法は簡単で、先ほどコピーしたA列B列をそれぞれ貼り付けるだけで問題ありません。
仮にポイントの付与率を個別に設定したい場合は、該当するSKUのところのポイントの「point percent」の部分を好みのパーセンテージに設定してください。
0%に設定し終えたら、保存してもう一度ポイントセントラルにアクセスしてください。
先ほどのテンプレートをダウンロードした場所の横にある「出品別ポイントパーセントリストをアップロード」をクリックしましょう。
以上でポイントの付与率を0%にすることができますが、この作業は現在商品登録済みの商品にしか適応されません。
新しい商品を登録したときは、個別に除外設定を行いましょう。
ポイントの設定は0%のものでいいのか?今後のポイントについて
ポイントの設定は、基本的にはゼロ%でも問題ありません。
なぜなら、現在においてはAmazonポイントをそれほど気にしている購入者はいないからです。
Amazonポイントのメリットは「お得だと感じた購入者」が商品を購入しやすくなることにあります。
しかし、現状ではそれほどAmazonポイントのことを意識している消費者はいません。
なぜなら、現状では商品を購入するときにアマゾン側から提案や周知があるわけではないからです。
他のポイントと比較すると、どうしてもAmazonポイントは影が薄いため、そのせいでメリットが薄いのが現状といえます。
他のポイント、例えば日本における大型ショッピングサイトである「楽天ポイント」などは、これを目当てに楽天のプラットフォームでしか買い物をしない人がいるほど大きな目玉であることを考えると、Amazonポイントにはそれほど大きなメリットはないのです。
ただし、これはあくまでも「現状」の話です。
今回の1%負担をデフォルトとする設定変更やAmazon公式からの声明を考えると、今後、Amazon側がAmazonポイントを生かすのに全力を尽くしてくる可能性があります。
そうなると、Amazonポイントを負担する側に大きな優待があることも予想できるでしょう。
たとえば、カートを取得する条件の中に「ポイント負担がある」ことが設定されたり、ポイント負担率の高いセラーに何らかの目立つ装飾が施されたりといった優待です。
こうした優待ができてきた場合、セラー側としては回転率をあげるためにポイント負担を一部考える必要が出てきます。
そのため、常に0%にしておいたから問題はないと断じるのではなく、ポイントに関する動向はある程度監視しておいたほうがいいでしょう。
特にAmazonでせどりをメインに行う方は、いつまたポイントに関する大きな変更があるかわからないので、必ずポイントの動向は監視しておきましょう。
ただ、ポイント自体は決して悪いものではありません。
たとえば、ポイントの負担率を9%割引してくれる、というキャンペーンなど、セラー側にも有利になるキャンペーンが展開されていく可能性もあります。
そういったお得情報を見逃さないようにする意味も含めて、ポイントは今後要監視システムといえるでしょう。