価格を改定することは、言うまでもなく非常に重要です。
最適でない価格のまま放置されている商品はいつまで経っても在庫が動きません。
そのため、出品した後も適宜値段を動かす必要が出てきます。
ここでは、そんな「最適な値段」がわかるよう、価格改定の仕方を詳しくまとめていきましょう。
価格改定をするのはなぜ? 価格改定をするときはどんなとき?
価格改定をする理由は、大きくわけて3つあります。
ひとつめの理由は、その商品の適切な利益率と回転率を確保するためです。
あらゆる商品には利益率と回転率の2つがあり、価格が高ければ高いほど利益率があがり、低ければ低いほど回転率が上がります。
ただ、利益率が低すぎても、回転率が低すぎても、商売として立ち行かせることはできません。
そのため、少し回転率が高すぎる=利益率が低すぎる商品は価格を上げ、回転率が低すぎる=利益率が高すぎる商品は価格を下げる必要があるのです。
せどりにおいて価格改定をする2つ目の理由は、カート取得率が上がるからです。
カートとは、簡単にいえばAmazonの商品ページにおいてワンクリックで購入できる位置に置かれることで、価格が安ければ安いほどここに選ばれる可能性が高くなります。
そのため、最安値と同じ価格に価格改定をすることで、商品が売れやすくなるのです。
せどりにおいて価格改定をする3つ目の理由が、適切なタイミングで商品を販売するためです。
たとえば、年間を通して売れる商品には必ず、その商品の価格が大きく落ち込む時期があります。
そうした商品はあえて価格を改定してその時期には出品せず、価格が元に戻ってから再び出品することで自分の利益を守ることができるのです。
逆に、メーカーなどの発表で突然商品が高値になったときは、それに追従して価格を上げることで利益を大きく増やすことができます。
こうした戦略は、しっかりと価格改定をしなければとることを検討することすらできません。
そのため、せどりにおける価格改定は重要なのです。
まとめると、せどりにおいて価格改定をする理由は以下の3つです。
- 利益を守るため
- カートを取得できるようにするため
- 時節や値動きにあわせた戦略をとれるようにするため
これらの理由を見れば、価格改定をするタイミングもおのずと見えてきます。
つまり、価格改定が重要になるタイミングは以下の3つです。
- 利益が守れなくなりそうなとき=商品の回転率が低くなりすぎたり、高くなりすぎたとき
- カートが取得できなくなったとき=最低価格が動いたとき
- 時節や値動きにあわせた戦略をとるとき=何らかの要因で大きな値動きが予想されるとき
とはいえ、これらすべてのタイミングで動くためには、毎日、ともすれば数時間ごとに値動きを観察しておかなければなりません。
数十個程度の商品であれば、定期的なルーチンワークにすれば値動きを観察することは難しくありませんが、これが50、100、200と増えていくと、それだけでも膨大な時間を取られます。
しかも、数が増えれば増えるほど、値動きを見落としてしまったり、価格改定をする際にミスが生じたりしてしまいます。
そのため、数の増えた商品をすべて手作業で価格改定するのは、現実的ではありません。
そこで活躍するのが、自動価格改定ツールです。
「プライスター」などが有名ですが、こうしたツールは定期的に最低価格や平均価格を監視し、最適な価格で商品の価格を改定してくれます。
薄利多売で大量の商品を出品するせどりにおいては、こうしたツールは必須といっても過言ではないでしょう。
出品する商品を増やしていくタイミングや、価格改定作業が面倒に感じてきたときは、ぜひこうしたツールの導入を検討してください。
価格改定をする際の注意点! 長い目で見て利益を守れるようにしましょう
価格改定ツールを使うにせよ、自分で価格改定をするにせよ、商品の価格を決める際にはいくつか重要な注意点があります。
それは以下の通りです。
- 時には「損切り」をしなければならないこともある
- 「抜け駆け」をすると損をする
- 商品の特性を考えて価格設定をする
上の3点について、ひとつずつ解説していきます。
時には「損切り」をしなければならないこともある
せどりをしている方は全員、利益を追求しているはずです。
そのため、なるべく損を出さないような価格付けをするのが普通です。
しかし、時には計算的には赤字でも、その値段で売りに出さなければならないことがあります。
たとえば、ブームの過ぎそうな商品です。
社会現象にまでなったような商品は一時期定価以上の価格で売りにだされることが多いのですが、ブームが過ぎ去ってしまうと、需要の減少から大幅に価格が下落します。
そして市場には売れ残った商品が溢れ、中古品だらけになります。
そうなると、よほどのことがない限り、まずその商品が再度定価前後まであがることはありません。
よって、こうした商品は値段が下がりつつある時期に、赤字覚悟で売り抜ける必要が出てくるのです。
そうでなければ、いつまでも在庫に残り続けて保管料だけがかかってしまう、不良在庫になってしまいます。
ブームが過ぎそうな商品以外にも、再販がかかりそうな商品、多くの中古品が出そうな商品なども、不良在庫になる前に赤字で売り抜けたほうがいいこともあります。
もちろん、全ての商品を赤字で売っていては商売が成り立たないので上限はありますが、そうした戦略もあることは理解しておきましょう。
「抜け駆け」をすると損をする
カートの取得に関して少し理解が進むと、ある考えが頭をよぎると思います。
それは、「自分だけ最低価格よりも安く出品をすれば、単独でカートが取得できるのではないか」という考えです。
しかし、そうした「抜け駆け」は、絶対に避けるべき行動です。
その理由は、出品者のほとんどが導入している自動価格改定ツールにあります。
少し安い価格で商品を出品すると、ライバルとなる出品者は自動価格改定ツールにより、その価格で追従するのです。
しかも、価格改定されるまでの期間は最短で5分前後です。
つまり、自分が最安値となれる期間はたったの5分前後で、その上、商品の全体価格が下がってしまいます。
その点、セオリー通りに最低価格と同じ価格で出品しておけば、いずれはカートが取得できますし、商品の全体価格が下がることもありません。
要するに、自分だけ「抜け駆け」をして出品することは、ほとんどメリットが存在しないのです。
商品の特性を考えて価格設定をする
無数に存在する商品には、それぞれ価格の特性があります。
例えば、季節ごとに特定の値動きを繰り返す商品や、一旦値段が下がると戻りづらい商品、通年でほとんど値段が動かない商品などです。
こうしたそれぞれの商品の特性を考えて価格改定、価格設定をすることで、売れ残りを防いだり、不当に安い価格で販売したりすることを防いだりできます。
最初から意識することは難しいかもしれませんが、徐々に商品知識がついてくると、より適切な価格設定ができるようになってくるでしょう。
価格改定は重要な要素! 忘れないようにしましょう
価格改定は、せどりを立ち行かせる上で非常に重要な要素です。
価格改定をせずに長時間放置していると、とれる利益も取れなくなってしまいますし、売れる商品も売れなくなってしまいます。
最初から価格改定ツールを用意しておくのがベストではありますが、資金的な事情で用意できない方もいると思います。
そんな方は、忙しい時間の合間を縫い、最適な価格改定を心がけましょう。